物忘れ外来を行っております
年齢を重ねるにつれて、物忘れは少しずつ増えていきます。しかし、若い方でも物忘れをすることはあります。ときどき物忘れがある程度であれば、それほど心配される必要はありません。
しかし中には、認知症や認知症の前兆としての物忘れ、脳の病気による物忘れも存在します。その場合には、早期の検査の上、必要な治療・予防を行うことが大切になります。
物忘れが気になる方は、ぜひ一度当院の物忘れ外来にご相談ください。
その物忘れ、ただの物忘れですか?
認知症の初期症状かもしれません
認知症の初期症状として、物忘れの増加があります。最初は、私たちが誰でも経験したような軽いものであっても、進行すると「記憶がすっぽり抜け落ちる」「忘れたことを指摘されてもピンとこない」「長年の習慣で身に付いているはずのことができない」ということになります。
こういった物事の忘れ方は、健康な方には見られません。ご本人とともに、ご家族の“気づき”も大切になります。
「物忘れが増えたな」とご本人あるいはご家族の方が気になった時点で、一度当院にご相談ください。
こんな物忘れしていませんか?
- 記憶がすっぽり抜け落ちている
- 忘れたことを指摘されても思い出せない
- 長年の習慣で身に付いたはずのことができない
- 戸締りの忘れ、水道やガス栓の閉め忘れが増えた
- 自分のいる場所、現在のおおよその時間が曖昧
- ちょっとしたことで怒る、疑い深くなった
- 特に理由なくやる気が出ない
- 服装やヘアスタイル、メイクなどの身だしなみを気にしなくなった
加齢による物忘れ
加齢に伴い、誰でも基本的には記憶力が低下していきます。
そして記憶力の低下が進むにつれ、物忘れも増えていきます。「人の名前が思い出せない」「暗証番号を忘れてしまった」「過去の記憶の細部があいまいになる」といったことは、通常の範囲内であれば、ごく自然なこととも言えます。
またこれらの物忘れを指摘されたとき、ああそうだった、と思い出せるのも“加齢による物忘れ”の特徴です。
加齢による物忘れ、つまり記憶力の低下は、訓練などによって維持したり、低下を遅らせたりすることが可能です。
認知症(アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症)
による物忘れ
認知症は、記憶力に加え、思考や理解、計算、言語、判断などの精度が低下していく状態です。
“加齢による物忘れ”との違いは、健康な人には起こり得ないような忘れ方をする点です。「自分の今いる場所が分からなくなる」「長年の習慣で身に付いているはずのことができなくなる」といったことが挙げられます。そして、物忘れを指摘されても思い出せないという特徴が見られます。「〇〇をお願いしましたよね?」と言っても、そのこと自体を忘れてしまっている状態です。
その他、ちょっとしたことで怒る、疑い深くなる、仕事や家事ばかりでなく趣味にも興味を失う、身だしなみに注意を払わなくなるなどの性格の変化も見られます。
脳疾患による物忘れ
脳腫瘍、慢性硬膜下血種、水頭症などの症状の1つとして、物忘れが起こりやすくなることがあります。
認知症の予防や早期発見だけでなく、脳の病気の早期発見のためにも、物忘れが気になったときにはお早目に当院にご相談ください。
以下、各脳疾患に付随する症状を記載しております。ご参考ください。
脳腫瘍に見られる症状
- だんだんと強くなる頭痛
- 吐き気、嘔吐
- 顔面の引きつり
- 視力障害
- 身体の片側の麻痺 など
慢性硬膜下血種に見られる症状
- 頭痛
- 吐き気、嘔吐
- 麻痺
- 言葉が出にくい
- 意識障害 など
水頭症に見られる症状
- 頭痛
- 吐き気、嘔吐
- 食欲低下
- 倦怠感、やる気が出ない など
MCI(軽度認知障害)検査・認知機能トレーニングを受けてみませんか?
MCI(軽度認知障害)検査
健常者と認知症の中間にあたる状態を「MCI(軽度認知障害)」と呼びます。
日常生活に支障をきたすほどではないにせよ、物忘れなどが多くなっており、5年以内に約半数が認知症へと進行すると言われています。
MCIの段階で予防・治療を行うことで、認知症を防いだり、発症を遅らせることが可能です。
当院では、MCIのスクリーニング検査を行っております。採血だけの簡単な検査です。自覚症状が出る前に、MCIの可能性を判定することができますので、お気軽にご相談ください。